有機溶剤
有機溶剤とは
他の物質を溶解する性質を持つ有機化合物の総称です。
その中で有機溶剤中毒予防規則に該当する物質は下記の3種類に分類されます。
・第1種有機溶剤
・第2種有機溶剤
・第3種有機溶剤
このうち第1種有機溶剤及び、第2種有機溶剤の合計が5(wt)%以上を含有すると測定対象となります。
有機溶剤一覧
第1種有機溶剤(物質名) | |
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1,2-ジクロロエチレン(別名:二塩化アセチレン) | 二硫化炭素 |
第2種有機溶剤(物質名) | |
アセトン | イソブチルアルコール |
イソプロピルアルコール | イソペンチルアルコール (別名:イソアミルアルコール) |
エチルエーテル | エチレングリコールモノエチルエーテル (別名:セロソルブ) |
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート (別名:セロソルブアセテート) | エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル (別名:ブチルセロソルブ) |
エチレングリコールモノメチルエーテル (別名:メチルセロソルブ) | オルト-ジクロロベンゼン |
キシレン | クレゾール |
クロロベンゼン | 酢酸イソブチル |
酢酸イソプロピル | 酢酸イソペンチル (別名:酢酸イソアミル) |
酢酸エチル | 酢酸ノルマル-ブチル |
酢酸ノルマル-プロピル | 酢酸ノルマル-ペンチル (別名:酢酸ノルマル-アミル) |
酢酸メチル | シクロヘキサノール |
シクロヘキサノン | N,N-ジメチルホルムアミド |
テトラヒドロフラン | 1,1,1-トリクロロエタン |
トルエン | ノルマルヘキサン |
1-ブタノール | 2-ブタノール |
メタノール | メチルエチルケトン |
メチルシクロヘキサノール | メチルシクロヘキサノン |
メチル-ノルマル-ブチルケトン | |
第3種有機溶剤(物質名) | |
ガソリン | コールタールナフサ(ソルベントナフサを含む。) |
石油エーテル | 石油ナフサ |
石油ベンジン | テレビン油 |
ミネラルスピリット(ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリット、ホワイトスピリット及びミネラルターペンを含む。) |
特別有機溶剤とは
有機溶剤中毒予防規制に該当する有機溶剤のうち、
特に発がん性のおそれがある下記の表の物質は特定化学物質予防規則の「特別有機溶剤」とし、管理します。
含有濃度が1(wt)%を超えると測定対象となります。
特別有機溶剤一覧
特別有機溶剤(物質名) | |
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エチルベンゼン | クロロホルム |
四塩化炭素 | 1,4―ジオキサン |
1,2―ジクロロエタン | 1,2―ジクロロプロパン |
ジクロロメタン | スチレン |
1,1,2,2―テトラクロロエタン | テトラクロロエチレン |
トリクロロエチレン | メチルイソブチルケトン |
上記までの測定対象となるものを使用し、下記の表に該当する業務(作業)を行なっている場合、作業環境測定の対象となります。
(作業環境測定の測定が義務付けらます。)
有機溶剤業務
イ | 有機溶剤等を製造する工程における有機溶剤等のろ過、混合、攪拌、加熱又は容器若しくは設備への注入の業務 |
ロ | 染料、医薬品、農薬、、化学繊維、合成樹脂、有機顔料、油脂、香料、甘味料、火薬、写真薬品、ゴム若しくは可塑剤 又はこれらのものの中間体を製造する工程における有機溶剤等のろ過、混合、攪拌又は加熱の業務 |
ハ | 有機溶剤含有物を用いて行う印刷の業務 |
ニ | 有機溶剤含有物を用いて行う文字の書込み又は描画の業務 |
ホ | 有機溶剤等を用いて行うつや出し、防水その他物の面の加工の業務 |
へ | 接着のためにする有機溶剤等の塗布の業務 |
ト | 接着のために有機溶剤等を塗布された物の接着の業務 |
チ | 有機溶剤等を用いて行う洗浄(ヲに掲げる業務に該当する洗浄の業務を除く。)又は払しょくの業務 |
リ | 有機溶剤含有物を用いて行う塗装の業務(12に掲げる業務に該当する塗装の業務を除く。) |
ヌ | 有機溶剤等が付着している物の乾燥の業務 |
ル | 有機溶剤等を用いて行う試験又は研究の業務 |
ヲ | 有機溶剤等を入れたことのあるタンク(有機溶剤の蒸気の発散するおそれがないものを除く。)の内部における業務 |
以上、作業環境測定の測定義務のある作業場である場合は、作業環境測定士による測定を半年に1回行い、測定の記録及び、評価の記録を3年間保存する必要があります。
但し、発がん性のある物質は時間が経ってから健康被害が出てくる為、上記「特別有機溶剤」に分類される物質は測定記録を30年保存することとされています。